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今日は、『生命保険入門(新版)』について書きます。

このブログに保険関係者が少ないことはうすうす気づいていますが、それでもめげずに書きます!

著者である出口治明氏(ブログはこちら)は、生保業界の革命児と呼ばれ強烈な勢いで成長する「ライフネット生命」の社長です。

この本を読むきっかけは、ツイッターでした。
出口社長に何気なくツイッターで質問してみたところ、ご本人がツイッターで返事をしてくれました。
「わーい、出口社長に返事してもらっちゃった♪」と浮かれていたら、さらにこの本のことも紹介してくれたんです。普通なら話すことができないようなすごい人とも気軽に話せちゃう。これはツイッターの素晴らしいところですね。

さて、この「ライフネット生命」という会社。とても興味深いんです。

まず、出口社長の経歴が面白い。
京大卒⇒日本生命入社⇒同社MOF担という超がつくエリート。これをポーンと捨ててライフネットをベンチャーとして立ち上げました。黙っててもエリートのまま人生の最期を迎えられるのに、あえて挑戦!その精神は本当に尊敬に値します。

そして副社長(ブログはこちら)も面白い。
東大在学中に司法試験合格⇒ボストンコンサルティング⇒ハーバードビジネススクール卒⇒一流企業のオファーを断り、出口氏と一緒にネットライフを立ち上げました。

どっちも超エリートなんだけど、ブログやインタビューの記事を見ると全然そんな感じがしない。どことなくゆるーい雰囲気。この二人のツイッターやブログを見ていると、「講演に行ってきます」とか「ダボスに行ってきます」とか、仕事以外で外に出ていることがやたら多い。出口社長に至っては週に2~3回も講演をやっていて、懇親会にも毎回参加。しかも講演のテーマは「歴史」とか…。生命保険関係ないじゃん!

「この人たちは一体いつ仕事しているんだ!ベンチャーなのにそんなんで大丈夫か?」と心配になってしまいます。

でも、当のライフネット生命は、今年で5万人の会員を集めるなど快進撃を続けています。社長と副社長がいなくてもうまく回る組織に育っているんでしょうね。こういう組織の作り方も、ぜひ本にして日本の経営者にシェアして欲しいです。


さて、前置きが長くなりましたが、「生命保険入門(新版)」を読んだ感想です。
僕は、4年前にこの本の旧版を読んで感動しました。今回はその新版ということで、読み返した感じになります。

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前回、前々回で、就職から13年間のAくんとBさんを追いかけてきましたが、今回が最終回です。
二人は、どのようなゴールを迎えるのでしょうか?最終回は、AくんとBさんの35歳~40歳までの軌跡と、その後の二人のお話です。

【14年目~18年目】
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14年目。Aくんは35歳になりました。会計知識と英語力を買われ財務報告に関わる課に異動になり、決算の数字を作る日々。30歳の頃から少しずつ会計士の勉強をしていましたが、その知識が役に立つことになったのです。
ただ、外出の機会はかなり減りました。総勘定元帳と補助元帳を確認したり、システム内の仕訳をチェックしたりの日々。仕事上で覚えることはたくさんありましたが、何となくマンネリを感じていました。とはいえ、部下も着実に増え、安定した毎日に満足していました。
管理職になってからは残業代が出なくなったので、一時的に給料が下がってしまいましたが、そうはいっても年収は1,000万円を大きく上回っていました。
大学時代の友人とお酒を飲んでも、周りに年収1000万円以上の人はほとんどいません。そういう意味では、Aくんは「僕は恵まれているなー」と感じていました。

ある日Aくんは部長に呼ばれ、昇進したことを伝えられました。やったね!
毎日毎日積み重ねてきた努力が報われたことが何よりも嬉しく、飛び上がりたい気分でした!Aくん36歳。同期よりも2年ほど早い昇進です。

それから4年後。
Aくんも40歳を迎えようとしていました。仕事も充実していて部下もたくさん。仕事は忙しくて目が回りそうでしたが、とても充実していました。Aくんの給料は、ついに1,400万円になりました。

しかしある日のこと。
Aくんを可愛がってくれた部長が、突然異動することになりました。グループ会社への出向です。その会社の役員として、最終のポストについたのです。
その後、Aくんの上司である部長のポストについたのは、なんと1歳年下の社員でした。その人は「超」がつくエリート!東大在学中に公認会計士を取得。卒業後アメリカのMITでMBAをとり、金融庁勤務後、ニューヨークのオルガン・スタンレー証券(フィクションです!)で財務に携わり、銀行部門のニューヨーク支店に勤務。…恐ろしい経歴の持ち主です。しかも意外にもナイスガイ!

Aくんは何となく、「僕の出世もここまでかな…」と感じました。新部長はAくんのことをとても頼りにしてくれましたが、結局Aくんが部長になることはありませんでした。

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一方、Bさんは迷っていました。
これから拡大路線で行くのか、このままでいくのか…。

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前回は、超一流企業に就職できたAくんと自分でお店を始めたBさんの最初の3年を追いかけました。今回はその続きです。

【3年目~8年目】
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Aくんはかなり1人で仕事を任されるようになりました。『課長代理』という役職もつき、部下もできました。少しずつ後輩に教えるという仕事も増え、やりがいも出てきました。相変わらず忙しく残業も多い日々ですが、合コンに行ったり資格を取ったり、公私ともにすごく充実した毎日です。
給料は毎年上がり続け、8年目の30歳になった時には基本給が33万円、残業代が20万円で月収53万円、住宅手当も含めると年収は900万円になっていました。

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一方のBさんは、安定した店舗経営。
だんだん貯金も貯まってきたので、新しいオーブンや冷蔵庫を買い換えました。開店5年目を記念して、両親と一緒にフランスに旅行にも行きました。もちろんBさんとお母さんの分は経費で。

フランスのケークサレのお店に行った時、自分の名刺とお店の写真を見せたら、お店の人はとても喜んで、Bさんとお母さんを歓迎してくれました。「おお!日本でこんなモノを作っているのか、たいしたもんだ!」。特別に厨房に入れてもらうと、すごく素敵なケーキ型を発見。どこで売っているのかと聞くと、ベトナムですごく安く売っているとのこと。そのお店の名前と場所を教えてもらい、次の正月休みに買いに行くことにしました。

…次の正月休み、Bさんはベトナムに来ていました。
お店の場所に行ってみると、なんともボロい店舗にフライパンやケーキ型、鍋などが積み上げられています。その中に、あの素敵なケークサレの型が売っていました。
お店のお兄さんに「これはいくらですか?」と聞いてみると、「3万ベトナム・ドンだよ」と。3万…ドン?!あわてて計算機で確認してみると、どうやら130円くらい。日本で買えば3000円でもおかしくない。必死に覚えた表現で、「店にあるやつ全部買うから2万ドンにして」と頼むと、店員は快くOKしてくれました。

大量にケーキ型を買いましたが、幸い重ねるとそれほど大きな荷物にはなりませんでした。スーツケースに詰め込んで日本に帰り、最近開いた楽天ショップで販売することにしました。ただ販売してもつまらないので、ケークサレのレシピと、粉とチーズを入れたセットにしてケーキ型を販売することにしました。「このセットを買えば家にある食材ですぐに本場のケークサレが作れます」という商品。ラッピングはお母さんと二人でやり、袋の中にはフランスのお店の店主の写真を入れました。『本場フランスのケークサレ専門店で使っているケーキ型です』というコメントをつけて。

これが大ヒット!

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最近は、「就職“超”氷河期」という言葉も定着してきました。
ニュースや新聞を見ると、有識者が「若者はブランド志向が強いから有名な一部上場企業を目指そうとしがちだけど、中小企業だっていいじゃないか。彼らはしっかりと地に足をつけてビジネスをしている。そっちの方がずっとやりがいがあるかもしれない。」とか言っているのを見ますが、僕にはどうも納得できません。

そうした有識者が今の大学生の立場だったら、本当に有名企業を捨てて中小企業に就職するでしょうか? きっとしないと思います。会社に入った後のキャリア、転職市場価値、受けられる教育、福利厚生、世間でのステータス、入社後20年間の年収の推移…。そうした点で大企業と中小企業にどれだけの差が出るか、ちゃんと調べて言っているのでしょうか?

例えば給料だけとっても、例えば三井物産とか東京三菱UFJ銀行とか任天堂といった超一流といわれる有名企業と、小さな建設会社とか運輸会社とでは全く違います。

本当に例えばですけど、こんなに差が出たりするのです。(地方や個々の能力で違ってくるので、あくまで参考。怒らないないでくださいね)

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超一流企業と中小企業では40歳になったときには、給料に2倍の差が出るんですよ。
20年間の総収入を合計をすると、Xさん 1.9億円、Yさん1.4億円、Zさん1.0億円となります。XさんとZさんで9,000万円の差が出るんです。YさんとZさんだって3,500万円の差です。

中小企業も良い」と言っている人の中には、超一流企業に勤めているような人もたくさんいます。そういう人は、中小企業にいくのも良いぞというアドバイスの後に「まぁ、40歳になったときの給料は俺の半分だけどね」と付け加えるべきです。

僕は、大企業・有名企業に就職したがる学生を支持しますよ。
「絶対こうしたい」という強い信念がある人は別ですが、そうでなければ自分の行きたい業界の少しでも上を目指すべきだと思います。どうしても入りたい企業があったら、そこよりも上位の企業に入って数年働いた後で転職するという方法もあるのですから。もちろん「中小企業や無名企業に行くな」ということではありません。給料が全てだとも思っていません。現に、僕の周りには中小企業でバリバリ働いて力をつけている優秀な方がたくさんいて僕はその人たちを尊敬していますし、一流企業でいい給料もらってるけれど、退屈そうに仕事している人や体を壊した人もたくさん知っています。ここで言いたいのは、どちらがいいということでなく、「自分が何をしたいかが固まっていないためにより選択肢の多い道をとブランド志向に走る学生に、妥協案として安易に中小企業を勧めるべきではない」ということです。それだったら、自分で起業するという道を提案したほうがいいじゃん、と。


…さて前置きが長くなりましたが、このご時世、そうはいってもなかなか就職ってできませんよね。で、そのときに「起業」という選択肢を選んでみたらどうなるか。というお話です。


就職したA君と就職できなかったBさん(※フィクションです)

AくんとBさんは同じゼミの大学4年生。もうすぐ卒業です。
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Bさん「Aくん、三菱USJ銀行(※フィクションです!)に受かったんだって?凄いね~!!」
Aくん「うん、まぐれだよ。でもこれで親も安心してくれたみたい。卒業したら頑張るぞ~!」

Bさん「いいなぁ。私は就職決まらなかったよ。」
Aくん「えぇっ!!じゃぁどうするつもりなの?就職浪人とか…?」

Bさん「あはは、まさか。ウチもそんなにお金ないしね。」
Aくん「じゃ、どうするの?」

Bさん「うん、実は自分でお店をやってみようかと思って。」
Aくん「え、おみせ?????」

Bさん「うん、ウチの自宅って駅近くのマンションなんだけど、そこの1階に小さな空き店舗があるんだ。どうせ親に仕送りもらってたから、そのお金をもう少しだけ出してもらって、そこでお店をやることにしたの。」

Aくん「そりゃまた、思い切ったね」
Bさん「うん、でも好きでもない仕事するよりは良いかなと思って」


◇  ◇  ◇

かくして、Aくんは三菱USJ銀行に就職し、Bさんは自分のお店をやることになりました。

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「曲がったことは絶対に許さない」という空気
最近、メディアで“社会正義”が濫用されているなーと感じたことはありませんか?
大相撲の話もそう、小沢さんの話もそう、グルーポンの話もそう、海老蔵氏の話もそう。

最近メディアで騒がれているこうした話題の共通点は、「『曲がったことは許せない』という国民感情がメディアの力により増幅されて、当事者でもない人たちが怒って声を上げる」という構図です。

なぜ、当事者でもない人たちがこうも感情的になるのでしょうか?
「相撲の八百長は許せない」という人は、相撲に八百長があったら何か困るのでしょうか?
いつも相撲で賭けをしている人だったら、自分が賭けた力士が八百長で負けたら困るとは思いますが、そんな人はいませんよね?テレビで相撲を見ている人だって、八百長が嫌なら見なければいいだけの話。大した損失は被りません。

なのに、なぜみんなは八百長を許せないのでしょうか?
自分にとってほとんど影響のないことなのに、なぜ「ブログに批判を書く」「友達と批判めいた話をする」「苦情の電話を入れる」といった労力をわざわざ割くのでしょうか?ブログを書いたりするのは時間がかかります。自分に実害のないことのために、わざわざ自分の貴重な時間を差し出すのです。

なぜなんでしょう?

最後通牒ゲーム
これは、経済学的に説明のできない「人間の行動心理」なんだそうです。
皆さんは「最後通牒ゲーム」というものを知っていますか?

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前回は、日本政府のバランスシートと日本全体のバランスシートを見て、「なぜ日本政府が財政状態が悪いのにプロが国債を買うのか?」という話をしました。
そして、「家計部門」という超健全なファイナンス子会社がついているからだということを説明しました。

しかし家計資産の中にも、実際は流動性の低い(そう簡単に売れない)資産もありますので、今回はそのあたりをもう少し掘り下げてみます。

日本政府の本当のバランスシート(金融資産)
そもそも、皆さんがよく目にする言葉って、次のようなフレーズじゃないですか?

国民の資産は1400兆円
政府の債務超過は573兆円

こうした数字って、前回の記事で紹介した日本のバランスシートの数字と合いませんよね(前回のバランスシートでは日本政府の債務超過は49兆円)。なぜでしょうか?
実はこれらの数字は「金融資産残高」だけで作った数字なんです。「金融資産残高」とは、実際の資産から「土地」や「不動産」など流動性の低い資産を除き、金融資産のみに限定したものです。金融資産とは、具体的には「現金・預金・株・債券・保険・年金」などのことです。

ところで、なぜ「普通のバランスシート」でなく「金融資産の残高表」で論じるのでしょうか?
それは、借金とか国債の話をするときは「返せるだけのお金があるか」という話が重要になるため、換金性(流動性)の低い「不動産や固定資産」は頭の中から外して考えた方が現実的だからです。

例えば、日本政府の普通資産は970兆円ありますがその中には道路や土地などの「売れない資産」も含まれています。こういうのは売ると国民が困っちゃう資産です。この「売れない資産」の流動性を試算するのは難しく(ダジャレじゃありません)、「政府が不動産や道路をどれだけ換金できるのか」とかいう話を論じ始めると深みにはまるので、前提として「土地や固定資産は売れないもの」と割り切り、流動性の高い「金融資産」の残高で支払い余力を見るのが良いと考えるんですね。

さて、話を戻しましょう。それでは下の図を見てください。
日本政府の金融資産残高はどうなっているのでしょうか?

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おお!凄い債務超過。JALみたいですね。
ちょっと意地悪な気持ちになって、JALの破綻直前のバランスシートと比べてみましょうか?

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前回は、日本国債の利回りが非常に低いこととその理由について考えました。

通常は、信用が低ければ金利が高くなります。
今回の革命でエジプト国債の信用格付けが下がり、金利がどーんと高くなりました。一方、日本国債の金利は格下げにもかかわらず低い水準のままです。


では、今回は日本の国債発行元である日本政府が財務的に信用できるのかを確認してみます。

【日本政府のバランスシート】
まず、日本政府のバランスシートを見てみましょう(ちなみに、このデータは内閣府のページから持ってきてます)。

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はい、気持ち良いぐらい債務超過ですね。しかも国債を発行しなければ毎年の収支は大赤字です。

こんな会社があったとしたら、その会社の社債買いますか?買いませんよね?でも、生保や銀行などのプロの投資家が国債を買うんです。それには何か理由があるはずですよね?

今日はその理由を考えるために、ちょっと特殊な考え方をしてみたいと思います。

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1月末に、日本の国債(ソブリン格付け)が「AA-」に引き下げられました。
エジプトも今回の混乱を受けて自国建ての国債格付けが「BB」に下がりました(どっちもS&P)。

日本の国債が格下げされた時は、債券市場にそれほど大きな動きは見られませんでしたが、エジプトの場合は利率が跳ね上がっています。エジプトに限らず、格付けが落とされた債券というのは、普通売られまくります。でも、日本の国債だけはびくともしません。

今回は、日本国債が破綻しない理由と、破綻のシナリオについて財務の面から少し考えてみたいと思います。
第一回は、おさらいもかねて、国債と利回りについてまとめてみます。

1.国債の仕組み
さて、いきなり質問です。
あなたが就職活動中だとして、その会社が

 ・毎年の収支がマイナス
 ・資産より債務の方が大きい(債務超過である)


という会社だったら入りたいと思いますか?・・・普通は入りたくないですよね?債務超過で毎年赤字なら、毎年債務超過額が増えていくばかりですぐ潰れちゃいますもんね。
社債を買うときも同じ発想です。つぶれそうな会社の社債は買いたくないですよね。

社債というのは、「○年という期限(償還期限)を決めて、その期限が来たら額面に利息(クーポン分)をつけて現金を返ししてくれる券」のことす。これは企業が発行するものですが、発行主である企業に現金を準備できるだけの余力がなければ、お金は返ってきません。これを「デフォルト(債務不履行)」と言ったりします。そういう意味で、会社から見ると社債は借金に近いものになります。

では、次に国債に話を移します。
国債も社債と同じ仕組みです。発行者が国という点が違うだけなんです。
ですから、社債と同じく潰れそうな国の国債は買いたくないですね。

2.国債の金利

国債も社債も、デフォルト(債務不履行)になるリスクがありますから、それなりの金利が付かなければ買ってもらえません。
例えばアイルランド国債(10年)は一度デフォルトしているので、利回りが9%(!)です。100万円を借りるのに年9万円払わなければなりません。10年後に償還するときには、総額190万円を返すことになるんですね。大変です(実際には毎年クーポンを払う)。

では、ここでちょっと各国の国債利回りを見てみましょう。

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