カテゴリ:保険のこと( 10 )

今日は、『生命保険入門(新版)』について書きます。

このブログに保険関係者が少ないことはうすうす気づいていますが、それでもめげずに書きます!

著者である出口治明氏(ブログはこちら)は、生保業界の革命児と呼ばれ強烈な勢いで成長する「ライフネット生命」の社長です。

この本を読むきっかけは、ツイッターでした。
出口社長に何気なくツイッターで質問してみたところ、ご本人がツイッターで返事をしてくれました。
「わーい、出口社長に返事してもらっちゃった♪」と浮かれていたら、さらにこの本のことも紹介してくれたんです。普通なら話すことができないようなすごい人とも気軽に話せちゃう。これはツイッターの素晴らしいところですね。

さて、この「ライフネット生命」という会社。とても興味深いんです。

まず、出口社長の経歴が面白い。
京大卒⇒日本生命入社⇒同社MOF担という超がつくエリート。これをポーンと捨ててライフネットをベンチャーとして立ち上げました。黙っててもエリートのまま人生の最期を迎えられるのに、あえて挑戦!その精神は本当に尊敬に値します。

そして副社長(ブログはこちら)も面白い。
東大在学中に司法試験合格⇒ボストンコンサルティング⇒ハーバードビジネススクール卒⇒一流企業のオファーを断り、出口氏と一緒にネットライフを立ち上げました。

どっちも超エリートなんだけど、ブログやインタビューの記事を見ると全然そんな感じがしない。どことなくゆるーい雰囲気。この二人のツイッターやブログを見ていると、「講演に行ってきます」とか「ダボスに行ってきます」とか、仕事以外で外に出ていることがやたら多い。出口社長に至っては週に2~3回も講演をやっていて、懇親会にも毎回参加。しかも講演のテーマは「歴史」とか…。生命保険関係ないじゃん!

「この人たちは一体いつ仕事しているんだ!ベンチャーなのにそんなんで大丈夫か?」と心配になってしまいます。

でも、当のライフネット生命は、今年で5万人の会員を集めるなど快進撃を続けています。社長と副社長がいなくてもうまく回る組織に育っているんでしょうね。こういう組織の作り方も、ぜひ本にして日本の経営者にシェアして欲しいです。


さて、前置きが長くなりましたが、「生命保険入門(新版)」を読んだ感想です。
僕は、4年前にこの本の旧版を読んで感動しました。今回はその新版ということで、読み返した感じになります。

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ニュースですでにご存知の方も多いと思いますが・・・

保険金が年金形式で分割払いされる生命保険を受け取った遺族に対し、相続税と所得税を課税することが認められるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は6日、二重課税に当たり違法との初判断を示した。そのうえで「課税は適法」とした二審・福岡高裁判決を破棄。所得税の課税処分を取り消し、原告側勝訴とした一審・長崎地裁判決が確定した。(2010年7月8日 日本経済新聞)

この件について、少しまとめてみます。

さて、通常生命保険契約は、被保険者(たとえばお父さん)が死亡したときに「保険金」を支払う約束をし、そのために月々の保険料を支払うというものです。

しかし最近は「一度に受け取ると使ってしまうので、お父さんの給料が入っていた時みたいに、毎月支払われるようにして欲しい」という顧客のニーズに対応し、「家族収入保障」や「年金払い特約」といった商品が取り扱われるようになりました。

しかし、これらの商品には「相続税」と「所得税」がダブルでかけられていたのです

例として、次のケースを考えてみましょう。

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ツイッターで、ホリエモン(堀江貴文氏)が保険について語っていました。


「保険なんか入るわけ無いじゃん。アホくさ。」
「なんでみんな死後の事まで考えるの?死んだら家族の事認識できないよ。」
「なんか自分の死後に家族が保険金貰ってるのとかあまり想像したくない。家族って金でのつながりじゃないでしょうが。。 」
「保険に入ってるコトで自分の死を常に意識しそうでやだ。」
「そのとおり! QT @NNiichann 死んでからのお金はトラブルの元。楽をさせてもためにならない。家族がいたらそんな金に頼らずとも生きていけるよう逞しく育って欲しい。残すべきと言う人は常識というマスゴミによって作られた虚像にもてあそばれた奴隷みたいだ!と僕は思う。」


うーん、相当な生命保険嫌いらしい・・・。

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前回の続きです。
今回はこんな特約があったらいいな編です。


3.自閉症特約
子どもに自閉症やアスペルガー症候群などの診断がなされたとき、保険金が下りる特約です。

自閉症は、非常に難しい障害です。
光とともに」を見られた方も多いと思いますが、自閉症という障害は、外見上分からないだけに通常の障害よりも多くの苦労をするそうです。
そのような特約により保険金を払うことで、経済的な負担だけでもカバーしようという保険。
一方で、自閉症の認知度を上げると共に、「自閉症は、親の責任ではない」というメッセージを伝えることにもなります。
自閉症の家族は、必ずと言っていいほど、自分を責めるそうです。
多くの場合、自分の育て方が悪かったとか、母乳育児しなかったからだとか、自分が不摂生したせいだとか・・・

そういった苦悩を少しでも解放してあげたい。
そのためにあってもいいなと思う特約です。
保険会社が媒介して自閉症の親のソーシャルネットワーキングをするのもよいかもしれません。


4.死亡確認特約
数年前、生命保険会社の不払い問題が話題になったのは、記憶に新しいですね。
顧客の立場から考えれば、被保険者が死んだのに、遺族が生命保険契約の存在を知らずに
請求せず、保険金を受け取れないことは、とても恐ろしいことです。

「知らなかった」
ただそれだけで、毎月数万円も払ってきた、数千万円の保険金を受け取れないのですから。

そうした不安を解消するのがこの特約。
税金・年金・健康保険の事務の都合上、国は戸籍と住民票で国民の生死情報を管理しています。

保険会社は国のDBに問い合わせて、自社の契約の中に被保険者が亡くなっているケースがないかを毎月確認します。
生存していないことが分かったら、あらかじめ指定された人に保険会社側から連絡を入れるという特約です。

国が住基ネットを開示するわけはないと思われがちですが、そんなこともありません。実際は、住民基本台帳の閲覧は多くの場合誰でも可能です。

技術的にも、全然可能です。
保険会社側からソーシャルナンバーのような共通キーを投げて、住基ネット上の情報と照合するだけなら、生存者の個人情報が保険会社に漏洩するリスクもありません。

一度契約したら、こちらから言わなくても保険金が払われる、これってすごく安心じゃないですか?
(実際は請求しないせいで保険金を支払わないケースはほとんどありませんが、タイムリーにもらえないケースは、多々あります。何より、こちらから請求しなくてよい、というのが顧客志向でよいですよね。)


以上
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保険会社に入ってもうすぐ3年。
保険のことには詳しくなったけど、奥が深い世界です。

現時点で、「こんな保険があったらいいなぁ」と思うものをあげてみます。

1.本当の意味での学資保険
 生命保険は、「生存しているか」「死亡するか」により発生する経済的な損失をカバーする商品です。
今の学資保険は、満期でも死んでもお金がもらえる設計になっているため、この両方に該当します。

 さらに、現在流通している学資保険は、「5年ごと学資給付金」や「祝い金」などがあり、さらに複雑になっています。

 で、僕の言う「本当の意味での学資保険」とは、完全な”生存保険”です。

 進学資金って、子どもが大学に行くまで成長した場合にのみ必要になるお金ですよね?
それなら、子どもが大学に進学する前に死亡してしまった場合には、進学資金は必要なくなる訳です。
お金が返ってくる必要があるんでしょうか?

だから、子どもが18才の春に生存している場合のみ、お金が払われる生存保険。
死亡時や祝い金などは一切なし。
解約返戻金もちょっとだけしかもらえない。

これなら、貯蓄型の保険よりも少し安い保険料になるはず。
18歳になる前に死亡する人は少ないので、保険料は思ったほど安くならないと思いますが、解約返戻金が少なめであれば多少は安くなると思います。何より、「死んだらお金は受取らない」という仕組みが相互扶助の考えに沿っていて納得度が高くなると思います。


2.子どもの子ども保険
 今、少子高齢化が問題になっています。
子どもを生む人が少なくなっているからです。

 まぁ、子どもを大学まで育てるのに1,000~1,500万円もかかるのに、子ども手当がたかだか200万円、
保育園や幼稚園がタダになったところで200~300万円が浮く程度です。
つまり、子どもを一人産むと金額ベースのQuality of lifeが500~1,000万円は下がるってことなんです。
実際、僕も子どもが生まれてから高価な洋服や高い食事はできなくなりました。
一方、独身の友人は貴族生活を送っています。

生活水準が下がることが目に見えているから、多くの人が子どもを生むのに躊躇しちゃいますよね?

 
と、いうことで、「子どもの将来の子どものための保険」。
親が、自分の子どもが結婚して子どもを生むときに、経済的な理由から二の足を踏むことがないようにとプレゼントする保険です。

 子どもが小さい時から積み立てて、その子が大人になって、その子の子ども(孫)が生まれたときに支払われる保険。子どもを生まなかった場合は、お金が出ない。

 子どもを生みたいのに生めない人は、保障されるような特約をつける。(不妊治療保障とか・・・)
  
子どもを生んでも生活水準が著しく下がらないので、子どもを生みたくなるような保険になるかも。
この保険なら、交渉次第で国からも補助金を受けられるかもしれませんね。


保険各社から出ているものは、どれも「ちょっとずつ違うけど同じようなもの」ばかり。
最近のイノベーションといえば所得補償保険くらいでしょうか・・・。
全く新しい保険、どんどん世に送り出していきたいですね。


以上
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Wall Streetでは、こんな取引が横行しているみたいですね。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の乱発が連鎖的な信用不安を招いたことから、証券会社などは新たな証券化ビジネスとして、次のようなスキームを考えたようです(去年の9月頃話題になりました)。


【Life Settlements】
取引の流れは、次のとおりです。
まずは、図を見てください。

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①お客さんが、保険に入っています。
②証券会社(の関係会社)は、お客さんから保険を現金で買い取ります。(厳密には、保険金を受け取る権利を安く買い取ります)
③証券会社でこれらをまとめて証券化し、債権を作ります。
④年金運用ファンドなどの投資家が、この債権を買います。


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ライフネット生命のサービスは革新的だと思います。
「保険料を半額にすることで、安心して赤ちゃんを産める社会を作りたい。(「生命保険のカラクリ」(著 岩瀬大輔) 序章より)」という哲学のもと、徹底して無駄を絞り、シンプルで透明性のある生命保険を提供しよう挑む姿は、同じ業界で働く者として本当に尊敬できます。

実際、ライフネット生命の商品は本当に安い。大手生保各社を圧倒しています。
HPのデータによれば、ライフネットで生命保険を見直しをしたら保険料は平均6,669円も安くなるらしい(H22年3月現在)。

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3.なぜ、保険会社は複雑な商品を売っているのか?

 「保険会社の商品は、比較ができない」って、よく言いますよね。あれ、本当です。
同じような商品に見えても、保険料の払い方が違ったり、特約がちょっとずつ違ったり、免責内容が違ったり…。会社によって本当にバリエーションが豊かで、比較はほとんど不可能と言えます。本当に正確な商品比較ができるのは、新聞記者並みの情報収集力とアクチュアリー(保険数理人)並みの数学力を併せ持った人だけです。もちろん、僕にもできません。
 では、なぜそんなに複雑になってしまったのでしょうか?もともとは生命保険って「死亡」と「生存」の2つしかなかったんですよ?なぜこんな混沌とした状況になっているのでしょう?

それは、生命保険会社が「生命保険はお金を捨てさせる商品だ」ということを、少しでもゴマかしたいからなんです。そうしないと売れないから。

        ◇ ◇ ◇

ところで、皆さんは次のどちらの商品が欲しいと思いますか?

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2.生命保険の本当の姿(銀行預金と何が違うのか?)

 突き詰めると、生命保険には次の2つしかありません。
 1.死亡保険 
  →死んだときに、お金が支払われる保険。
 2.生存保険
   →ある年齢の時に、(生きていれば)積み立てたお金が支払われる保険。

これらについて、例を元に考えてみましょう。
まず、死亡保険です。 図を見て下さい。
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Aさん、Bさん、Cさんの3人(みんな50才)が家族のために死亡保険に加入しました。
保険料はそれぞれ100万円を支払います。(300万円のファンドがたまります)

・10年後、Bさんは死んでしまいました。
・Bさんの家族には300万円が支払われました(これで、Bさんの家族は路頭に迷わなくてすみました)。
・AさんとCさんは、80才まで生きることができました。
・この結果、AさんとCさんには1円も支払われませんでした(まぁ、AさんもCさんも生きて家族を養ったので、300万円に頼る必要はなかったのですが)。

AさんとCさんは、100万円を払っただけで、1円ももらえなかったのです。
これは、お金を捨てたのと同じことですね。

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昨日は保険に関する講演を聞きました。
保険の本質を再度深く考えさせられる素晴らしい機会でしたので、共有します。


1.生命保険の販売は世界で最も難しい

よく、「生命保険を売るのは世界一難しい」と言われます。
日本では生保レディと言われる販売員の大活躍により、9割近い家族が契約をしているとか、世界一の生保大国だとか言われることもありますが、実際のところ販売の現場は恐ろしく過酷です。
一般の国内生保では、営業職員(いわゆる生保レディ)として入社した人の約半分が1年以内にやめてしまうと言われています。(興味がある方は、「生保営業の実態」とかで検索みて下さい。目を覆いたくなるような現状がたくさん語られています。)

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