給料が上がらない時代2

前回の記事では、バブル崩壊後の「失われた20年」で失われたのは、

・前半(1990〜1999):資産価値
・後半(2000〜2010):給料

であるということを書きました。

今回は、実際のところ僕らの給料がどのくらい減ってしまったのかを年齢層別のグラフで見てみることにしましょう。

このデータは結構衝撃を受けますよ。

1.グラフの見かた
これからでてくるグラフは、「年齢層別の平均給料の推移(男性)」です。
左側が古いデータで、右に行くほど最近の人の給料になります。一番古いものは1997年のもので、金額の単位は「千円」、5240とあれば、524万円のことです。各年代のグラフは、下落率が年代ごとに比較しやすいように、すべての年齢層で同じ幅のグラフを使っています。このため、一部の年齢階層ではグラフが画面からはみ出しちゃっていますが、その点はご容赦下さい。男性のデータのみを使用してるのは、女性は雇用環境の変化が大きすぎて平均給与を単純比較するのに適さないからです。
なお、元データはすべて国税庁のHPから持ってきています。


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前置きが長くなりました。それでは、行きましょう!

2.20代の給料
まず20歳〜24歳
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このころは大学や専門学校を出てすぐ、いわゆる「新人」レベルの給料ですね。
新人の給料はもともと安いですし、コスト調整はその年の採用人数でコントロールされるので、それほど給料に変化は出ません。それでも、グラフを見ると下がってますね。ここ15年、ずーっと下がりっぱなしです
これを見ると、15年前の新人は年間307万円ももらっていたんですね。今の新人世代より約40万円も年収が多かったんだ。今30代後半の人は、自分が新人のころを思い出してみてください。飲み会や合コンをしたり、旅行に行ったり、やりたいことはたくさんあるけど給料が少なくて、なかなか貯金できなかったでしょう?今の新人たちは、あの頃よりさらに40万円も給料が少ないんですよ。「遊ぶカネがない。遊ばなくても貯金できない」。これが2012年の新人たちの実態です



次に25歳〜29歳
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この年代は、第二新卒から中堅にかけてといったところでしょう。
給料はこの15年間でかなり落ちちゃってます。特に2008年、リーマンショック後の落ち込みがひどいですね。そうそう、2008年といえば雑誌「non-no」に「草食系男子」が特集され、大きな反響を呼んだ時期です。これだけ給料が下がれば、そりゃ草食にもなりますって…。言っておきますが、「草食系男子」は賃金デフレとその先行き観が作る経済現象ですからね



3.30代の給料
では、次に30歳〜34歳を見てみましょう。
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この年代は、いわゆる「伸び盛り」の社員。早ければ中堅社員として管理職になっている人もいるでしょう。この年代は、前のグラフと比べても大幅に給料が下がっているのが見てとれます。15年前の30歳~34歳は、給料が500万円の大台を超えていたのですが、今は400万円を切っちゃいそうな勢いです。年間400万円の給料で奥さんと2人の子供を養って、車を持って、さらに家を買って巨額の住宅ローンを抱えるとか、ありえないでしょう。スマート婚が流行る理由が良く分かります。いま45歳くらいの方は、30代の頃自分がいかに恵まれていたかをよく噛み締めてくださいね(笑)


次に35歳〜39歳
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このころになると社会人歴も10年以上、社内でも立派な中堅社員になっている人が多いでしょう。責任ある立場につく人も増えているかもしれません。

でも、あれ…?グラフを良く見てくださいよ?
2010年の給料は505.3万円、確かさっきの30歳~34歳グラフでは、15年前の給料は500万円の大台を超えていましたよね?・・・そうです、1997年は513万円でした。

ということは…?

そうですね。今の35歳~39歳の人たちは、なんと15年前の30歳~34歳より給料が少ないのです!これは落ち込みますよね。
1997年には28.5歳だった平均初婚年齢(男性)は2010年には30.5歳まで上がりました。これはやっぱり収入が下がっていることが大きな原因の一つだと思いますよ。参考までに同じ時期の初婚年齢のグラフも並べて載せておきましょう。(元データは「子ども・子育て白書」)。 ザ・晩婚化…。

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4.40代の給料
次は40歳〜44歳ですね。
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このころになると、組織の中核人材として活躍します。これまで溜め込んできたスキルや人脈など、さまざまなものを存分に吐き出して、バリバリ会社に貢献する時期です。
この世代も給料は下がっていますが、特徴的なのはリーマンショック後。35歳~39歳のグラフでは、リーマンショックから立ち直った2010年には給料が上昇しているのですが、40歳~44歳の層では回復していません…。この世代は景気が回復しても給料が戻らないという状態になっています。
とはいえ、全体的な下落幅は小さめ。この年代はそれほど給料が変化しない時期なのかもしれません


では次に45歳〜49歳
もう、ベテラン人材といっていいでしょう。
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社会人歴20年以上、海千山千のつわもの達です。社内で重要な役職についている人も多いでしょう。一方で、キャリアの限界が見えてきて、出世競争を降りる人が出始める時期でもあります。
良く見ると、リーマンショック後の2008年に給料が下がっていませんね。これまで見てきたグラフと比較しても、景気下ぶれへの感応度が低いように感じられます。理由は定かではありませんが、若い世代よりも給料の下がりが遅く、上がるときは早いのがこの年代の特徴ですね。参考までに、各年代の給与下落率も載せておきます。これを見ると、40代は全体的に給料の下落が緩やかで、相対的に恵まれているということが分かりますね。今45歳くらいの人は、今度はこのグラフを見て自分がいかに恵まれているかをもう一度噛みしめてくださいね(笑)
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5.50代の給料
さあいよいよ50歳〜55歳です。
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このころになると、もう社内の重鎮クラスですね。社会人歴はおよそ30年。
早めにリタイヤする人も出てきます。役員になる人も多く、新人なんて自分の子どもくらいに見えることでしょう。
グラフを見ると、あまりにすごい勢いで下落しているので枠からはみ出ちゃってますね(汗)。…とはいえ、ベースとなる給料が多いので、下落率そのものは低め。しかも2010年の回復がすごいですよね。実は、この年代になると業績連動の給料が多くなる人が多いので、企業業績が上がると給料も上がりやすいんですね。そこが新人と大きく違うところです。極端な言い方をすれば、会社の業績に連動して給料がきちんと上がるのはこの年代の人たちだけなんです。「日本の会社は、早めにリタイアすると損をする」と言われるのは、こういうことなんですね


では最後、55〜60歳です。
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もう、はみ出過ぎちゃって何だかよくわからなくなってますね(笑)。グラフの縦軸は100万円ですから、15年間でこの年代の給料が100万円以上も下がっちゃったということが分かります。
もちろん、この年代の人たちも基本的には給料が高いので、下がっても若い世代のように生活に困ることはありません。ただし、この年代は子育てや住宅ローンが終わって自分の好きなようにお金を使える人が多い、いわゆる「キャッシュ・リッチ層」なんですね。その人たちの給料が100万円下がったら、日本経済にどういう影響があるか分かりますか?

そうです。節約です。

消費のホープ年代である50代が、消費を控えて節約しちゃうんです。これは困りました…。家や高級車や家電は買ってもらえません。外食や旅行も減ります。そりゃ需要が落ちてデフレが続くわけですよね、消費のホープが毎年10万円ずつ給料減らされちゃってるんだもん。


  ◇   ◇   ◇


いかがでしたか?
15年前の人たちと比べて、今の自分の給料がどれだけ下がっているか、実感できましたでしょうか?
今回は長くなってしまったので、まとめは次回にさせていただきたいと思います。

次回は、なぜこの投稿のタイトルを「給料が上がらない時代」にしたのか、そんな時代に僕らはどうやって生きていくべきなのかをご説明しますね。


以上。
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